あの頃と今が交差する時。
好きだけじゃどうにもならない世の中ならば、
もう何も要らないと、もう何も望まないと、そう思っていました。
あの頃の私は、子供で、無力で、臆病で。
考えたくなかった。見たくなかった。
この先のふたりの未来が、じわじわと終わりに向かって走っていくのを。
あなたが苦しみ命尽き消えていくのを。
あなたが消えて居なくなってしまう未来を見るのを。
一緒に生きることが出来ない現実を。
それは、免れることが出来ない未来であると、認めたくなくて、争っても、
こんな子供な私が、ジタバタするだけでは、何も変わらない。
「君が居なくなったら、僕は死ぬよ。」
「私が居ても、あなたは死ぬじゃない。」
「…いや…君と会って、正式に付き合うようになってからは、生きることに必死だったんだよ。」
私は、知らなかった。
私と出会い、お付き合いをはじめて、死に向っていたあなたが少し変わってくれていたことを。
死に争ってくれていたことを。
出会った時も、初めて会った時も、あなたは死にかけていました。
だから、一生懸命働く。それが、刹那的でなく、この先、生きるための行動だったことを。私は、知らなかった。
「だったら…。別れなくても良かった。」
自分の誤ちに、涙が出た。
私が消えた意味は。。
あなたが、泣かせてばかりだ。ごめん。と、言ってくれたけれど、悪いのは全部、あの頃の私だから。
私が居なかったら死ぬ。
そう言われた時に、当時の私は、すごく取り乱した。
私が1番願っていたことは、あなたと一緒に生きていくことであり、
その過程で、あなたが幸せになること。
私が1番恐れていたことは、あなたの死です。
私の崇拝しているVtuberさんが、こう言っていました。
「あなたがいないと死ぬっていうやつに、本当に死ぬやつはあまり居ないから大丈夫だ」と。
当時、取り乱す私に、周りの人々が言った言葉でした。
私は、
私なんかのために?
私なんかが居ないだけで?
私なんかがそこまで想われるような、そんな価値ない。と思っていました。
自分の価値はないと、思っていました。
今も、自分のことは嫌いです。
そもそも先程の問いがあったんです。
「私が居ても、あなたは死んでしまうじゃない。私が居ると余計に苦しむじゃない。」と。
Vtuberさんは、こう続けました。
「でも、たまにそれで死ぬやつもいる」と。
きっと、大半の人は、死ぬことはなく、死ぬほど苦しいということなのだろうと思います。
あなたと別れた後に、あなた以外の人に言われたことがあります。
「君と別れたら、死ぬくらいに思っている」と。
私は、あなたのことを想っていたから、あなたと少し重ねたのだろう、その言葉を鵜呑みにした。
でも、いざ別れ話になり、「死なないよね?大丈夫だよね?」と心配すると、「なちゃん、なんかそれ、怖いよ?本気にしていたの?怖いよ?死ぬくらいに好きだって言っただけじゃん。あと、別れないから。」と言われました。
そうか。そんなもんだよね。
私が重く捉えすぎなのだと。
でも、簡単に死ぬなんて言って欲しくなかった。(簡単じゃなかったなら、ごめんなさい。)
死は、重いことなんだよ。
どうか、生きていてと願うあの祈りの苦しみを、知っているから。
そして、私自身も死にかけたことがあるから。
(紛らわしいから私のお話は置いておくけれど)
あなたは、後者だった。
本当に命を絶とうとした。
私のせいで。
方法を聞いて、それがどれだけ本気だったかを知った。
未遂で終わったのは、彼が死にかけた時、彼女が助けてくれたからだ。
私ではなく…。
子供だったから?そんなの…。どうしたらいいか分からずに、泣くことしかできなかった私。
空っぽになってしまった私。
何度も何度も自分を責め、やがて、感情もなくなった。
無理矢理にでも親からお金を奪い全てを捨て、後先考えずにあなたの元へ向かっていたら…。
変わっていたのかな。
いや、どちらにせよ、未成年の私は、あなたに迷惑しかかけなかっただろうか。
でも、何も出来ないと決めつけていたのではないか。どうにか出来たのではないか。
後悔ばかりがずっと渦を巻く。
私が行かなきゃいけなかったのに。
私が行きたかったのに。
なんで…。なんでも何も、私が悪い。
無力な私が全部悪い。
もう、無力は嫌なんだ。
今なら、私は何でも出来る。
ちがう。
何でもする。
例え、それが無謀なことでも。
例え、自分が無力だったとしても。
何をしてでも。
もう、後悔はしたくないんだ。
そして、何も怖くはないんだ。
だって、分かっているから。
あなたを失うことが、唯一私が怖いことだと。
なー。